コラーゲン膜 (BioMendTM) によるGTR法の臨床評価

歯周炎により形成された垂直性骨欠損およびII級根分岐部病変に対し吸収性コラーゲン膜 (Bio Mend™) を臨床応用し, その効果と安全性について検討した。55名の患者に対し, ウシ・アキレス腱より精製した1型コラーゲン膜 (BioMend™) を使用してGTR法を行った。各被験者のプロービング深さ (PD), 歯肉退縮 (GR), アタッチメントレベル (CAL), 動揺度の測定を術前, 術後3カ月, 術後6カ月に測定した。また, 術前と術後6カ月にエックス線写真を撮影し, 骨吸収率を測定した。術後3カ月, 6カ月のPDの減少は, 3.0mm, 3.2mm, CALの獲得は, 2-5mm,...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 41; no. 3; pp. 320 - 329
Main Authors 住本, 治菜, 杉戸, 博記, 新井, 高, 北村, 秀和, 小林, 博, 藤川, 謙次, 伊藤, 公一, 大崎, 忠夫, 鈴木, 邦治, 白土, 俊祐, 川崎, 文嗣, 吉沼, 直人, 鴨井, 久一, 小延, 裕之, 小林, 一行, 難波, 幸一, 田中, 牧, 舞田, 健夫, 村井, 正大, 山田, 了, 五味, 一博, 関口, 一実, 桜庭, 栄一, 清信, 浩一, 仲谷, 寛, 松村, 彰子, 秋山, 理恵子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.09.1999
日本歯周病学会
Subjects
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.41.320

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Summary:歯周炎により形成された垂直性骨欠損およびII級根分岐部病変に対し吸収性コラーゲン膜 (Bio Mend™) を臨床応用し, その効果と安全性について検討した。55名の患者に対し, ウシ・アキレス腱より精製した1型コラーゲン膜 (BioMend™) を使用してGTR法を行った。各被験者のプロービング深さ (PD), 歯肉退縮 (GR), アタッチメントレベル (CAL), 動揺度の測定を術前, 術後3カ月, 術後6カ月に測定した。また, 術前と術後6カ月にエックス線写真を撮影し, 骨吸収率を測定した。術後3カ月, 6カ月のPDの減少は, 3.0mm, 3.2mm, CALの獲得は, 2-5mm, 2.7mmで術前に比べ統計学的に有意な改善が認められた。また, GRは術後3カ月, 6カ月とも0.6mmであった。骨吸収率には, 術前に比べ7.9%の改善があり, 統計学的に有意差が認められた。術後の膜の露出は, 術後1週で9症例, 2週で6症例, 4週で3症例であった。また, 術後, Bio Mend™の副作用と思われる症状を示した症例は認められなかった。以上の結果よりウシ1型コラーゲンであるBio Mend™は, GTR法に用いる吸収性膜として有効な材料であることが示唆された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.41.320