第10回体表心臓微小電位研究会 1心拍毎のQRS区間内高周波成分の検出とその変動

【目的】1心拍でも高いS/N比が得られる狭帯域バンドパスフィルタ(SBPF) を開発した. 本研究は,SBPFを用いて心拍毎のQRS区間内微小高周波成分(HFCs)を検出し,その持続時間の心拍毎の変動を検討した. 【方法】対象は,持続性心室頻拍を有した心筋梗塞6名(sVT群)と健常者5名(N群)とした. Z軸双極誘導から導出した心電信号からSBPFを用いてHFCsを検出した.平均雑音レベルの2倍以上を信号成分とし,QRS終末部10μV以下のHFCs(終末部)と,それより前方のHFCs(前方部)で心拍毎の変動について比較した. 【結果】(1) HFCsの形態: N群は心拍毎に再現性をもって検出さ...

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Published in心臓 Vol. 33; no. Supplement1; pp. 37 - 40
Main Authors 桜井, 庸晴, 中沢, 潔, 南家, 俊彦, 三宅, 良彦, 佐藤, 忠一, 村山, 正博, 新井, まり子, 原, 正壽
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2001
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.33.Supplement1_37

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Summary:【目的】1心拍でも高いS/N比が得られる狭帯域バンドパスフィルタ(SBPF) を開発した. 本研究は,SBPFを用いて心拍毎のQRS区間内微小高周波成分(HFCs)を検出し,その持続時間の心拍毎の変動を検討した. 【方法】対象は,持続性心室頻拍を有した心筋梗塞6名(sVT群)と健常者5名(N群)とした. Z軸双極誘導から導出した心電信号からSBPFを用いてHFCsを検出した.平均雑音レベルの2倍以上を信号成分とし,QRS終末部10μV以下のHFCs(終末部)と,それより前方のHFCs(前方部)で心拍毎の変動について比較した. 【結果】(1) HFCsの形態: N群は心拍毎に再現性をもって検出されたが, sVT群は終末部に変化を認めた.(2)HFCs持続時間の変動幅:N群のHFCsは前方部(5.0±2.8msec)と終末部(7.1±2.5msec)に差がなく,一心拍毎の変動は小さかったが, sVT群では終末部(18.3±6.5msec)は前方部(5.6±4.8msec)に比して有意に大きく,かつN群より有意に大きかった. 【結語】sVT群の終末部は心拍毎に変動し,持続時間の変動幅はN群より大きかった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.33.Supplement1_37