[第28回日本嚥下医学会]喉頭半切・亜全摘術施行例における嚥下動態の経時的変化

喉頭半切・亜全摘術を施行した4症例について、嚥下造影検査画像より術後の嚥下動態を評価し、その経時的変化を検証した。術直後、全例で喉頭挙上期型誤嚥、咽頭クリアランスの低下が認められ、これに対してbreath-holding maneuverによる代償嚥下法を中心としたリハビリテーションを実施した。訓練実施後は、誤嚥が減少し咽頭クリアランスも改善を認めた。画像解析では、舌骨の嚥下開始時の位置および最大挙上時の位置がより高くなり、最大挙上持続時間の延長が認められた。今回の結果より、喉頭半切・亜全摘術後の嚥下障害に対して有効と考えられるアプローチは、残存部位での喉頭閉鎖およびbolus駆動力の強化を促...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 52; no. 1Supplement1; pp. S53 - S58
Main Authors 藤本, 保志, 杉浦, 淳子, 中島, 務
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 2006
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.52.1Supplement1_S53

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Summary:喉頭半切・亜全摘術を施行した4症例について、嚥下造影検査画像より術後の嚥下動態を評価し、その経時的変化を検証した。術直後、全例で喉頭挙上期型誤嚥、咽頭クリアランスの低下が認められ、これに対してbreath-holding maneuverによる代償嚥下法を中心としたリハビリテーションを実施した。訓練実施後は、誤嚥が減少し咽頭クリアランスも改善を認めた。画像解析では、舌骨の嚥下開始時の位置および最大挙上時の位置がより高くなり、最大挙上持続時間の延長が認められた。今回の結果より、喉頭半切・亜全摘術後の嚥下障害に対して有効と考えられるアプローチは、残存部位での喉頭閉鎖およびbolus駆動力の強化を促すことであると考えられ、これを実現するためのリハビリテーションメニューはbreath-holding maneuverが効果的であると考えられた。
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.52.1Supplement1_S53