第3回 体表心臓微小電位研究会 加算平均心電図を利用したWPW症候群における早期脱分極電位の検討
WPW症候群における加算平均心電図の特徴を,発作性上室頻拍の有無および副伝導路付着部位との関連性について検討した.WPW症候群23例(発作の既往のある8例と既往のない15例)および健康小児21例を対象とし,40-300Hzの帯域フィルターを用いて加算平均心電図を記録し,ベクトルマグニチュード法で表示した.WPW症候群では対照者に比べて,加算平均心電図のQRS幅およびQRS初期における微小電位の持続時間は延長し,QRS初期20msecおよび40msecの電位の実効値が低かった. WPW症候群のうち,頻拍発作の既往のある患者は既往のない患者に比べて,QRS幅およびQRS初期における微小電位の持続時...
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Published in | 心臓 Vol. 25; no. Supplement5; pp. 20 - 26 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
1993
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Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.25.Supplement5_20 |
Cover
Summary: | WPW症候群における加算平均心電図の特徴を,発作性上室頻拍の有無および副伝導路付着部位との関連性について検討した.WPW症候群23例(発作の既往のある8例と既往のない15例)および健康小児21例を対象とし,40-300Hzの帯域フィルターを用いて加算平均心電図を記録し,ベクトルマグニチュード法で表示した.WPW症候群では対照者に比べて,加算平均心電図のQRS幅およびQRS初期における微小電位の持続時間は延長し,QRS初期20msecおよび40msecの電位の実効値が低かった. WPW症候群のうち,頻拍発作の既往のある患者は既往のない患者に比べて,QRS幅およびQRS初期における微小電位の持続時間は有意に延長していた(145±9msecvs.131±18msec,p<0.05および49±7vs.37±9msec,p<0.01).またQRS初期20msecおよび40msecにおける電位の実効値は,それぞれ有意に低値を示した(7±4μVvs.14±5μV, p<0.01および12±4μVvs.23±8μV,p<0.01).一方,副伝導路の部位による加算平均心電図所見の違いは明らかでなかった. 加算平均心電図所見は上室性頻拍発作のリスクを有するWPW症候群患者の検出に有用と考えられた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.25.Supplement5_20 |