口蓋扁桃乳頭肥大症の3例

口蓋扁桃乳頭状肥大症の3例を報告した. 症例1は10歳の男児で習慣性アンギーナを主訴とした. 症例2は12歳の女児で同じく習慣性アンギーナを主訴とした. 症例3は12歳の男児で嚥下障害を主訴とした. いずれの症例も口蓋扁桃は表面に乳頭状の隆起が多数認められた. 病理組織学的所見はいずれの症例も口蓋扁桃の表層は多層化した扁平上皮で被服され, リンパ濾胞の腫大, 胚中心の拡大, 実質内の結合組織の増生が著明に認められたが, 通常の慢性扁桃炎との相違はなかつた. 本疾患の成因としては, 先天性素因説が有力であるが, 症例3において家族内発症が確認され, その説が支持されたが, 他の2症例では家族内発...

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Published in耳鼻と臨床 Vol. 42; no. 6Supplement3; pp. 950 - 952
Main Authors 津田, 邦良, 前原, 法文, 進, 武幹, 小路丸, 篤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻と臨床会 1996
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ISSN0447-7227
2185-1034
DOI10.11334/jibi1954.42.6Supplement3_950

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Summary:口蓋扁桃乳頭状肥大症の3例を報告した. 症例1は10歳の男児で習慣性アンギーナを主訴とした. 症例2は12歳の女児で同じく習慣性アンギーナを主訴とした. 症例3は12歳の男児で嚥下障害を主訴とした. いずれの症例も口蓋扁桃は表面に乳頭状の隆起が多数認められた. 病理組織学的所見はいずれの症例も口蓋扁桃の表層は多層化した扁平上皮で被服され, リンパ濾胞の腫大, 胚中心の拡大, 実質内の結合組織の増生が著明に認められたが, 通常の慢性扁桃炎との相違はなかつた. 本疾患の成因としては, 先天性素因説が有力であるが, 症例3において家族内発症が確認され, その説が支持されたが, 他の2症例では家族内発症はなく単発発症であった.
ISSN:0447-7227
2185-1034
DOI:10.11334/jibi1954.42.6Supplement3_950