ポリエチレングリコール間接抗グロブリン試験 (PEG-IAT) における高グロブリン血症による血球凝集 false negative 現象

赤血球輸血による溶血性副作用, 特に遅発性溶血を防止するためには, 高感度の検査法が必須である. そのひとつに, メディウムを用いた間接抗グロブリン試験(IAT法)の中でもより感度が良いとされるポリエチレングリコール間接抗グロブリン試験(PEG-IAT)がある1)~5). IAT法では凝集が陰性の場合, IgG感作O型血球を滴下し, それが凝集することにより陰性の試験結果を確認することが標準となっている. 1999年, 高免疫グロブリン血症患者の血清がPEG-IAT法によって, IgG感作O型血球確認凝集陰性となった現象を経験した. これを機に, 高免疫グロブリン血症がPEG-IAT法に与える...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 48; no. 4; pp. 342 - 349
Main Authors 渡部, 和也, 竹内, 千華子, 大戸, 斉, 青木, 義政, 山口, 富子, 横田, 睦子, 安田, 広康, 吉田, 詠子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 01.08.2002
日本輸血学会
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ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.48.342

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Summary:赤血球輸血による溶血性副作用, 特に遅発性溶血を防止するためには, 高感度の検査法が必須である. そのひとつに, メディウムを用いた間接抗グロブリン試験(IAT法)の中でもより感度が良いとされるポリエチレングリコール間接抗グロブリン試験(PEG-IAT)がある1)~5). IAT法では凝集が陰性の場合, IgG感作O型血球を滴下し, それが凝集することにより陰性の試験結果を確認することが標準となっている. 1999年, 高免疫グロブリン血症患者の血清がPEG-IAT法によって, IgG感作O型血球確認凝集陰性となった現象を経験した. これを機に, 高免疫グロブリン血症がPEG-IAT法に与える影響について検討した.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.48.342