E. coli L-asparaginaseでアナフィラキシーを発現したが, Erwinia製剤で安全に寛解導入し得たALLの1例

症例は6歳の男児.急性リンパ性白血病の診断で治療を行っていたが, 31カ月後に骨髄再発を認めた.この間Eschericnia coli L-Aspを2,000単位/m2/回×42回点滴静注で使用していた.再寛解導入療法を開始後, 8回目のL-Asp静注時にアナフィラキシーが認められ, 以後L-Aspを除く他の治療を試みたが寛解導入不能であった.MTT色素還元法による薬剤感受性試験の結果, L-Aspが有効であったため, Erwinia L-Asp, Ara-C, methotrexate, vincristine, prednisoloneの併用療法を行ったところ過敏反応を認めず完全寛解が得ら...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 8; no. 2; pp. 163 - 167
Main Authors 具志堅, 俊樹, 楚南, 盛章, 百名, 伸之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 1994
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.8.163

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Summary:症例は6歳の男児.急性リンパ性白血病の診断で治療を行っていたが, 31カ月後に骨髄再発を認めた.この間Eschericnia coli L-Aspを2,000単位/m2/回×42回点滴静注で使用していた.再寛解導入療法を開始後, 8回目のL-Asp静注時にアナフィラキシーが認められ, 以後L-Aspを除く他の治療を試みたが寛解導入不能であった.MTT色素還元法による薬剤感受性試験の結果, L-Aspが有効であったため, Erwinia L-Asp, Ara-C, methotrexate, vincristine, prednisoloneの併用療法を行ったところ過敏反応を認めず完全寛解が得られた.この後測定した患児の抗L-Asp IgG抗体価は94U/mlと高値であった.以上より過敏反応でE. coli製剤を継続使用できない症例にも, Erwinia製剤は安全に使用でき, 有用であると思われた.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.8.163