特発性肺ヘモジデローシス5例の臨床像および病因論の考察

1983年10月から1993年11月までに5例の特発性肺ヘモジデローシスidiopathic pulmonary hemosiderosis (IPH) を経験した.男児1例, 女児4例であり, 発症時の年齢は11カ月から3歳であった.初発症状では全例に発熱および貧血を認めたが, 血疾を認めたのは1例のみで, 呼吸器症状を認めなかったのが1例みられた, 輸血を必要としたのは3例, ステロイド投与を行ったのは3例で, 輸血を必要とした3例は全例発症後6カ月以内に死亡し, 2例が現在生存中である.4例に種々の周産期異常を認め, 3例では新生児期に人工換気療法を施行していた.人工換気による肺損傷で肺...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 8; no. 6; pp. 486 - 491
Main Authors 稲田, 浩子, 市川, 光太郎, 江口, 春彦, 安藤, 昭和, 高橋, 耕一, 清水, 隆史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 1994
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.8.486

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Summary:1983年10月から1993年11月までに5例の特発性肺ヘモジデローシスidiopathic pulmonary hemosiderosis (IPH) を経験した.男児1例, 女児4例であり, 発症時の年齢は11カ月から3歳であった.初発症状では全例に発熱および貧血を認めたが, 血疾を認めたのは1例のみで, 呼吸器症状を認めなかったのが1例みられた, 輸血を必要としたのは3例, ステロイド投与を行ったのは3例で, 輸血を必要とした3例は全例発症後6カ月以内に死亡し, 2例が現在生存中である.4例に種々の周産期異常を認め, 3例では新生児期に人工換気療法を施行していた.人工換気による肺損傷で肺胞上皮の変性をきたし, IPHの発症につながった可能性が示唆された.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.8.486