サイトカインの基礎と臨床IL-2の臨床応用

IL-2の抗腫瘍効果をみるため, 4名の担癌患者にrecombinant (r) IL-2を3.3~10×105 U/日, 5~20日間点滴静注したが効果は認められなかった.ついで8名の従来の治療が無効な担癌患者に対しrIL-2のadoptive immunotherapyを行ったところ,多発性骨髄腫2例において,末梢血リンパ球数の増加, Leu 7, OKM 1, OKT 10陽性細胞の増加, NK, LAK活性の上昇がみられ,血中M蛋白濃度の25~50%の減少がみられた.皮膚悪性リンパ腫の患者では皮膚病変の改善が,赤白血病では白血病に至るstageを遅延させている所見がみられた....

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Bibliographic Details
Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 9; no. 5; pp. 345 - 349
Main Author 戸川, 敦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 1986
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.9.345

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Summary:IL-2の抗腫瘍効果をみるため, 4名の担癌患者にrecombinant (r) IL-2を3.3~10×105 U/日, 5~20日間点滴静注したが効果は認められなかった.ついで8名の従来の治療が無効な担癌患者に対しrIL-2のadoptive immunotherapyを行ったところ,多発性骨髄腫2例において,末梢血リンパ球数の増加, Leu 7, OKM 1, OKT 10陽性細胞の増加, NK, LAK活性の上昇がみられ,血中M蛋白濃度の25~50%の減少がみられた.皮膚悪性リンパ腫の患者では皮膚病変の改善が,赤白血病では白血病に至るstageを遅延させている所見がみられた.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.9.345