第14回体表心臓微小電位研究会 加算平均心電図上のfiltered QRSdurationの経時的変動を用いての急性心筋梗塞後の心事故予知

【目的】急性心筋硬塞(MI)後患者において, 加算平均心電図 (SAECG)で測定された filtered QRSduration(f-QRS)の経時的変動と心事故発現との関連性を前向きに評価した.【方法】対象は, 急性MIの診断で入院となり, 早期と晩期に 2回 SAECG検査を受けた連続 238例である. f-QRSは, SAECG記録可能な心電計 FDX-6521を用いて計測した. 心事故は, 死亡, 心室頻拍/細動, 心不全入院と定義され, MI再発作などは除外された,【結果】SAECGの記録時期は, 早期では MI発症後 9±4日, 晩期では 28±6日であった. 対象群のなかで f...

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Published in心臓 Vol. 37; no. Supplement1; pp. 3 - 6
Main Authors 柚須, 悟, 池田, 隆徳, 中村, 健太郎, 谷合, 誠一, 米良, 尚晃, 坂田, 好美, 四倉, 正之, 吉野, 秀朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2005
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Summary:【目的】急性心筋硬塞(MI)後患者において, 加算平均心電図 (SAECG)で測定された filtered QRSduration(f-QRS)の経時的変動と心事故発現との関連性を前向きに評価した.【方法】対象は, 急性MIの診断で入院となり, 早期と晩期に 2回 SAECG検査を受けた連続 238例である. f-QRSは, SAECG記録可能な心電計 FDX-6521を用いて計測した. 心事故は, 死亡, 心室頻拍/細動, 心不全入院と定義され, MI再発作などは除外された,【結果】SAECGの記録時期は, 早期では MI発症後 9±4日, 晩期では 28±6日であった. 対象群のなかで f-QRSが増加 (f-QRS増加群)したのは 105例であった. 39±20カ月の観察期間中に心事故は 23例 (9.7%)にみられた. その内訳は, 死亡2例, 心室頻拍/細動1例, 心不全入院 20例であった. f-QRS増加群は非増加群と比べて心事故の発現が有意に高く(P=0.007), 特に心不全入院との関連性が高かった.【総括】SAECG上のf-QRS経時的延長は,急性MI後の心事故と関連しており,有用な非侵襲的予知指標となり得ると考えられた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.37.Supplement1_3