CALL維持療法中にヒトパルボウイルスB19感染により骨髄不全を呈した1例

症例は, CALLの7歳の男児.東京小児白血病研究グループ (TCLSG) 11次案S2プロトコールに従い, 初回寛解を持続してきたが, 3年目の維持療法中に急激な貧血と血小板減少をきたした.骨髄は, 低形成で, ウイルス抗体価, DNA診断にてヒトパルボウイルスB19 (B19) 感染による骨髄不全と診断した.B19に対する抗体の産生に伴い, 貧血と血小板減少を認めてから1ヵ月後に, 血液所見の改善をみた.B19感染は, 白血病治療経過中のような, ある種の免疫抑制状態の患児では, 骨髄不全を惹起する可能性が示唆される....

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 6; no. 1; pp. 66 - 70
Main Authors 伊藤, 保彦, 小松崎, 英樹, 渡辺, 淳, 福永, 慶隆, 金子, 清志, 右田, 真, 五十嵐, 徹, 山本, 正生, 村上, 由加里, 並松, 茂樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 1992
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.6.66

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Summary:症例は, CALLの7歳の男児.東京小児白血病研究グループ (TCLSG) 11次案S2プロトコールに従い, 初回寛解を持続してきたが, 3年目の維持療法中に急激な貧血と血小板減少をきたした.骨髄は, 低形成で, ウイルス抗体価, DNA診断にてヒトパルボウイルスB19 (B19) 感染による骨髄不全と診断した.B19に対する抗体の産生に伴い, 貧血と血小板減少を認めてから1ヵ月後に, 血液所見の改善をみた.B19感染は, 白血病治療経過中のような, ある種の免疫抑制状態の患児では, 骨髄不全を惹起する可能性が示唆される.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.6.66