急性骨髄性白血病末期にTorsade de Pointesを示した一症例

急性骨髄性白血病で治療中の41才男性において, その末期に著明なQ-T間隔の延長と共にTorsade de Pointesの発生をみた.本例のQ-T間隔は, 全経過を通してみると, 白血病治療に用いられたAnthracycline系抗癌剤の総投与量の増大に伴い漸次延長を示しており, 最終総投与量はDaunorubicin550mg, Aclacinomycin A 2, 780mgと比較的大量であった. 本例のTorsade de Pointesの原因となったQ-T間隔延長の機序は, 上記の点からみて, Anthracycline系抗癌剤 (Daunorubicin及びAclacinomyci...

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Published in心電図 Vol. 6; no. 1; pp. 79 - 86
Main Authors 新谷, 和夫, 加藤, 紀久, 川久保, 清, 村山, 正博, 板井, 勉, 長谷川, 節雄, 小野, 彰一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 1986
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.6.79

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Summary:急性骨髄性白血病で治療中の41才男性において, その末期に著明なQ-T間隔の延長と共にTorsade de Pointesの発生をみた.本例のQ-T間隔は, 全経過を通してみると, 白血病治療に用いられたAnthracycline系抗癌剤の総投与量の増大に伴い漸次延長を示しており, 最終総投与量はDaunorubicin550mg, Aclacinomycin A 2, 780mgと比較的大量であった. 本例のTorsade de Pointesの原因となったQ-T間隔延長の機序は, 上記の点からみて, Anthracycline系抗癌剤 (Daunorubicin及びAclacinomycin A) による心毒性の結果である可能性が強く示唆された.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.6.79