歯科補綴物のレーザ溶接における変形の防止法 埋没材による固定および熱処理の効果
「I. 緒言」 歯科用金属の接合には, 主としてろう付が用いられてきたが, 最近になってレーザ溶接による接合も行われ始めてきた. これは, レーザ溶接の操作時間が非常に短いことと, 装置の価格が低下してきたことによるところが大きい. Gordonら1)の研究をはじめとするいくつかの研究で, レーザ溶接部の強度は, 歯科補綴装置として十分であることが報告されている2~5). われわれの講座においても, 金銀パラジウム合金やチタンおよびTi-6 Al-4V合金におけるレーザ溶接部の接合強度が十分であることを報告した6~9). 一方, レーザ溶接によって製作した補綴装置の精度や溶接変形を詳細に検討し...
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Published in | 日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 43; no. 1; pp. 131 - 137 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本補綴歯科学会
1999
日本補綴歯科学会 |
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ISSN | 0389-5386 1883-177X |
DOI | 10.2186/jjps.43.131 |
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Summary: | 「I. 緒言」 歯科用金属の接合には, 主としてろう付が用いられてきたが, 最近になってレーザ溶接による接合も行われ始めてきた. これは, レーザ溶接の操作時間が非常に短いことと, 装置の価格が低下してきたことによるところが大きい. Gordonら1)の研究をはじめとするいくつかの研究で, レーザ溶接部の強度は, 歯科補綴装置として十分であることが報告されている2~5). われわれの講座においても, 金銀パラジウム合金やチタンおよびTi-6 Al-4V合金におけるレーザ溶接部の接合強度が十分であることを報告した6~9). 一方, レーザ溶接によって製作した補綴装置の精度や溶接変形を詳細に検討した報告は非常に少ない10). レーザ溶接法では, 熱影響部が非常に狭いので, 高精度の接合が可能であると考えられるが, 柿本11)の研究では溶接変形が生じることが判明している. そこで, レーザ溶接の精度を高めるための溶接方法を開発することを目的として実験を行った. 本報告では, 接合する金属の固定の強弱や溶接後の応力除去のための熱処理が溶接変形に与える影響を調べ, 変形防止の効果について検討した. さらに, ろう付による変形についても調べ, レーザ溶接と比較検討した. |
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ISSN: | 0389-5386 1883-177X |
DOI: | 10.2186/jjps.43.131 |