進行肝門部胆管癌に対する手術方針の検討 肝合併切除の意義について

肝門部胆管癌7例に対して, 区域以上肝切除兼尾状葉切除を施行した. 術式は, 右肝三区域切除3例, 拡大右葉切除2例, 中央二区域切除1例, S5+S4下1/2亜区域切除1例で, 7例中5例で尾状葉切除をした.予後は, 7例中5例が3年6カ月以上生存, 3例は5年以上生存, 5年生存率は71%であった. 長期生存5例中4例で治癒手術がなされており, その進行度は, stageII 4例, stageIII 1例であった. 本邦5年以上生存例29例を検討, その生存率は, 7年目まで低下し, 8年目以降は安定する傾向を認めた. 7年生存率で, 胆管切除のみの群と肝合併切除群を比較すると, 胆管の...

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Published in胆道 Vol. 7; no. 2; pp. 139 - 147
Main Authors 渡部, 秀一, 高橋, 優, 新井, 元順, 伊藤, 順造, 高倉, 一夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 1993
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando1987.7.2_139

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Summary:肝門部胆管癌7例に対して, 区域以上肝切除兼尾状葉切除を施行した. 術式は, 右肝三区域切除3例, 拡大右葉切除2例, 中央二区域切除1例, S5+S4下1/2亜区域切除1例で, 7例中5例で尾状葉切除をした.予後は, 7例中5例が3年6カ月以上生存, 3例は5年以上生存, 5年生存率は71%であった. 長期生存5例中4例で治癒手術がなされており, その進行度は, stageII 4例, stageIII 1例であった. 本邦5年以上生存例29例を検討, その生存率は, 7年目まで低下し, 8年目以降は安定する傾向を認めた. 7年生存率で, 胆管切除のみの群と肝合併切除群を比較すると, 胆管のみ切除群35.1%に対し, 肝合併切除群73.0%と差を認めた. 遠隔転移が少なく局所にとどまる生物学的特徴を有する肝門部胆管癌では, 局所が十分にコントロールされる手術により, 極めて良好な予後とQOLが得られるものと思われる.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.7.2_139