HPLCの感度特性と分離特性の可視化による最適条件の検討

UHPLC(Ultra High Performance Liquid Chromatography)の高速特性と高分離特性を同時にグラフに表現することにより,その相反関係がわかってきた.しかし,UHPLCが高感度特性にも貢献すると言われているにもかかわらず,その理論的な定式化や可視化は進んでいない.本報では分離後,紫外吸光光度検出器のフローセル内の溶質濃度の高いほうが,低い検出限界が得られるため,高感度特性を有する状態と考えて定式化した.その結果,セミミクロLCに代表されるようなカラム断面積縮小の効果以外に,圧力と粒径に関するUHPLC特有の作用があることがわかった.また,高長積と呼ぶ感度特...

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Published in分析化学 Vol. 71; no. 7.8; pp. 411 - 415
Main Authors 清水, 克敏, 伊藤, 正人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.08.2022
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.71.411

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Summary:UHPLC(Ultra High Performance Liquid Chromatography)の高速特性と高分離特性を同時にグラフに表現することにより,その相反関係がわかってきた.しかし,UHPLCが高感度特性にも貢献すると言われているにもかかわらず,その理論的な定式化や可視化は進んでいない.本報では分離後,紫外吸光光度検出器のフローセル内の溶質濃度の高いほうが,低い検出限界が得られるため,高感度特性を有する状態と考えて定式化した.その結果,セミミクロLCに代表されるようなカラム断面積縮小の効果以外に,圧力と粒径に関するUHPLC特有の作用があることがわかった.また,高長積と呼ぶ感度特性のΣを導入し,Σを三次元グラフに表示することにより分離特性と感度特性も相反することがわかった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.71.411