腹部血管へのアプローチをベースとしたブタ腎移植モデル習熟プロトコール

【目的】臨床を意識した腎移植の研究において、大動物を用いたモデルの重要性は高く、特にヒトと解剖学的類似性が高いブタモデルが広く用いられている。我々は異種移植モデルのレシピエントとしてカニクイザルとのサイズマッチも考慮し、極めて小型のミニブタを使用している。血管吻合に於いて、動脈は主にレシピエントの大動脈とドナー腎動脈基部のカレルパッチを用いた端側吻合を行い、静脈は腎静脈との端々吻合または下大静脈との端側吻合を行っている。本発表では、臨床腎移植の執刀未経験者の演者が半年間のプログラムで行ってきた腹部血管へのアプローチをベースとしたブタ腎移植モデル習熟プロトコールを紹介する。【方法】1 Dryトレ...

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Published in移植 Vol. 59; no. Supplement; p. s287_3
Main Authors 木下, 善隆, 木村, 高弘, 小林, 英司, 山本, 修太郎, 横尾, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2024
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.59.Supplement_s287_3

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Summary:【目的】臨床を意識した腎移植の研究において、大動物を用いたモデルの重要性は高く、特にヒトと解剖学的類似性が高いブタモデルが広く用いられている。我々は異種移植モデルのレシピエントとしてカニクイザルとのサイズマッチも考慮し、極めて小型のミニブタを使用している。血管吻合に於いて、動脈は主にレシピエントの大動脈とドナー腎動脈基部のカレルパッチを用いた端側吻合を行い、静脈は腎静脈との端々吻合または下大静脈との端側吻合を行っている。本発表では、臨床腎移植の執刀未経験者の演者が半年間のプログラムで行ってきた腹部血管へのアプローチをベースとしたブタ腎移植モデル習熟プロトコールを紹介する。【方法】1 Dryトレーニングとして直径5mmのゴムチューブ及び他の実験で犠牲死した際に摘出したブタの腎及び大血管系の冷凍・解凍物を使用して基本トレーニングを行った。2 25kg程度のミニブタを用い、同種腎移植手術を複数回行った(術者として3回)。3 5kg程度のブタと10kg程度のカニクイザルで異種腎移植手術を行った(術者として1回)。モデル作成時は、術者・助手ともヘッドカメラ(Looks CAM II, mZoom4K)を付け、術後の検討も行った。【結論】限られた人数や器具で手術を行うことに加え、一部ヒトと異なるそれぞれの解剖学的特徴など、大動物モデル特有の工夫もある。これらの経験に文献的考察を加え、トレーニングの経験を共有する。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.59.Supplement_s287_3