口腔白板症の臨床病理学的検討 特に上皮性異形成について

臨床的, 病理組織学的に口腔白板症と診断された196例を対象として, 上皮性異形成についてWHOの診断基準項目に従って臨床病理学的に検討した。 上皮性異形成が見られた症例は196例中57例で29.1%を占めていた。部位では舌が66例中31例47.0%と最も頻度が高かった。WHOの上皮性異形成の診断基準12項目のうちでは, 項目2, 1, 12, 4の順で多く認められ, これは悪性化潜在能の評価に重要と報告されている項目であった。白板症からの悪性化症例は14例 (7.1%) で, 部位では舌が12例と多数を占めた。この14例中7例に上皮性異形成がみられ, 経時的に白板症の上皮性異形成の程度が進行...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本口腔粘膜学会雑誌 Vol. 5; no. 2; pp. 74 - 80
Main Authors 清水, 啓代, 倉地, 洋一, 油井, 久美恵, 中村, 雅子, 陳, 嘉子, 南雲, 正男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔内科学会 20.12.1999
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1341-7983
1884-1473
DOI10.6014/jjomm1995.5.74

Cover

More Information
Summary:臨床的, 病理組織学的に口腔白板症と診断された196例を対象として, 上皮性異形成についてWHOの診断基準項目に従って臨床病理学的に検討した。 上皮性異形成が見られた症例は196例中57例で29.1%を占めていた。部位では舌が66例中31例47.0%と最も頻度が高かった。WHOの上皮性異形成の診断基準12項目のうちでは, 項目2, 1, 12, 4の順で多く認められ, これは悪性化潜在能の評価に重要と報告されている項目であった。白板症からの悪性化症例は14例 (7.1%) で, 部位では舌が12例と多数を占めた。この14例中7例に上皮性異形成がみられ, 経時的に白板症の上皮性異形成の程度が進行する症例に癌化が多い傾向であった。白板症の治療にあたっては上皮性異形成の有無, 程度に注意を払う必要がある。
ISSN:1341-7983
1884-1473
DOI:10.6014/jjomm1995.5.74