全身性エリテマトーデス患者における血清リポ蛋白 (a) 濃度およびアポリポ蛋白 (a) フェノタイプに関する研究
リポ蛋白(a)[lipoprotein(a), Lp(a)]は低比重リポ蛋白(LDL)中のアポ蛋白B-100に, 糖蛋白であるアポリポ蛋白(a)[apolipoprotein(a), apo(a)]がS-S結合した構造をもつリポ蛋白である1). Lp(a)は高コレステロール血症や高血圧症とは独立した, 心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の危険因子として, 近年注目されている2, 3). Apo(a)はプラスミノーゲンのクリングル4と相同性の高い構造を9個から37個繰り返しているが4), このクリングルの繰り返し数によってさまざまな大きさのapo(a)およびLp(a)が存在し, その大きさによ...
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Published in | 炎症 Vol. 18; no. 1; pp. 45 - 51 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本炎症・再生医学会
1998
日本炎症学会 |
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ISSN | 0389-4290 1884-4006 |
DOI | 10.2492/jsir1981.18.45 |
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Summary: | リポ蛋白(a)[lipoprotein(a), Lp(a)]は低比重リポ蛋白(LDL)中のアポ蛋白B-100に, 糖蛋白であるアポリポ蛋白(a)[apolipoprotein(a), apo(a)]がS-S結合した構造をもつリポ蛋白である1). Lp(a)は高コレステロール血症や高血圧症とは独立した, 心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の危険因子として, 近年注目されている2, 3). Apo(a)はプラスミノーゲンのクリングル4と相同性の高い構造を9個から37個繰り返しているが4), このクリングルの繰り返し数によってさまざまな大きさのapo(a)およびLp(a)が存在し, その大きさによってLp(a)フェノタイプが分類されている. 膠原病患者では, 一般集団とくらべて血管病変による死亡率が高いことが知られている. たとえば, 全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus, SLE)の患者には, 心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化病変あるいは血栓症の合併が多く5), 従来は抗リン脂質抗体などの自己抗体6)や血管炎7)とともに, ステロイド投与の影響8)が示唆されてきた. しかし, これらのみでは説明し難い症例も少なくない. |
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ISSN: | 0389-4290 1884-4006 |
DOI: | 10.2492/jsir1981.18.45 |