炎症性サイトカインによる腰椎椎間板ヘルニア由来細胞のシクロオキシゲナーゼ-2およびインターロイキン-1βの発現

腰椎椎間板ヘルニアは神経根性疼痛を主症状とする疾患である.この疼痛発現機構においては椎間板組織が産生するサイトカインやPGE2が重要な役割を演じるといわれるが詳細は不明である.今回, 腰椎椎間板ヘルニアの疼痛発現において, PGE2産生酵素であるCOX-2やサイトカインの役割を明らかにするために, 手術時に採取したヘルニア組織を免疫組織学的に検討したところ, 組織内にCOX-2, 1L-1βおよびTNF-αの局在が認められた.またヘルニア培養細胞をIL-1βあるいはTNF-αで刺激してRT-PCR法を用いてCOX-2の発現を検討したところ, COX-2mRNAの誘導が観察された.さらにヘルニア...

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Published in日本腰痛研究会雑誌 Vol. 4; no. 1; pp. 25 - 30
Main Authors 土井田, 稔, 佐浦, 隆一, 水野, 耕作, 原田, 俊彦, 宮本, 裕史
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本腰痛学会 1998
日本腰痛研究会
Subjects
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ISSN1341-7355
1884-2186
DOI10.14898/yotsu1995.4.25

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Summary:腰椎椎間板ヘルニアは神経根性疼痛を主症状とする疾患である.この疼痛発現機構においては椎間板組織が産生するサイトカインやPGE2が重要な役割を演じるといわれるが詳細は不明である.今回, 腰椎椎間板ヘルニアの疼痛発現において, PGE2産生酵素であるCOX-2やサイトカインの役割を明らかにするために, 手術時に採取したヘルニア組織を免疫組織学的に検討したところ, 組織内にCOX-2, 1L-1βおよびTNF-αの局在が認められた.またヘルニア培養細胞をIL-1βあるいはTNF-αで刺激してRT-PCR法を用いてCOX-2の発現を検討したところ, COX-2mRNAの誘導が観察された.さらにヘルニア細胞はIL-1βの刺激によりIL-1βmRNAをautocrineに誘導することが明らかとなった.以上より, 腰椎椎間板ヘルニアの病態において, COX-2や炎症性サイトカインが重要な役割を演じていることが示唆された.
ISSN:1341-7355
1884-2186
DOI:10.14898/yotsu1995.4.25