膜性腎症の治療経過中に発症したde novo B型肝炎の1例
症例は75歳,男性.特発性膜性腎症に対し免疫抑制療法を施行されていた.治療開始11カ月後に肝障害が出現し当科入院.膜性腎症診断時のHBs抗原陰性,HBs抗体陰性,HBc抗体陽性であり既往感染例と考えられたが,肝障害出現時にHBs抗原陽転化を認めたため,de novo B型肝炎と診断した.HBV-DNAは9.1 logcopies/mLと上昇しており,核酸アナログ製剤の内服を開始した.以後,トランスアミナーゼ,HBV-DNAともに漸減し,重症化・劇症化することなく経過した.de novo B型肝炎の基礎疾患として本症例のような腎疾患の報告は少なく,文献的考察を加えて報告する....
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Published in | 肝臓 Vol. 54; no. 1; pp. 74 - 80 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
2013
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Subjects | |
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.54.74 |
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Summary: | 症例は75歳,男性.特発性膜性腎症に対し免疫抑制療法を施行されていた.治療開始11カ月後に肝障害が出現し当科入院.膜性腎症診断時のHBs抗原陰性,HBs抗体陰性,HBc抗体陽性であり既往感染例と考えられたが,肝障害出現時にHBs抗原陽転化を認めたため,de novo B型肝炎と診断した.HBV-DNAは9.1 logcopies/mLと上昇しており,核酸アナログ製剤の内服を開始した.以後,トランスアミナーゼ,HBV-DNAともに漸減し,重症化・劇症化することなく経過した.de novo B型肝炎の基礎疾患として本症例のような腎疾患の報告は少なく,文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.54.74 |