1H NMRによる精確な定量分析のための内標準液を用いる試料調製法の検討
核磁気共鳴(NMR)を用いた定量分析法(定量NMR法)は原子核を基準にできる特性から,測定対象の標準物質を必要としないで定量できるユニバーサルな分析法として急速に注目を集めている.特に内標準法は精確な値が得られることから公定法にも採用され始めている一方で,現状の内標準法では,試料調製において高分解能な天秤(びん)を用いた精確な秤(ひょう)量が必要とされるという点が課題となっている.そこで本研究では,試料調製におけるコストと時間を低減するために,内標準液を用いた定量NMR法について検討した.質量比混合法と容量法の二つの方法で試料調製を行い,測定結果に与える調製方法の影響について考察した.さらに複...
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Published in | 分析化学 Vol. 63; no. 4; pp. 323 - 329 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本分析化学会
2014
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Summary: | 核磁気共鳴(NMR)を用いた定量分析法(定量NMR法)は原子核を基準にできる特性から,測定対象の標準物質を必要としないで定量できるユニバーサルな分析法として急速に注目を集めている.特に内標準法は精確な値が得られることから公定法にも採用され始めている一方で,現状の内標準法では,試料調製において高分解能な天秤(びん)を用いた精確な秤(ひょう)量が必要とされるという点が課題となっている.そこで本研究では,試料調製におけるコストと時間を低減するために,内標準液を用いた定量NMR法について検討した.質量比混合法と容量法の二つの方法で試料調製を行い,測定結果に与える調製方法の影響について考察した.さらに複数機関による共同分析を実施することで,内標準液を用いた方法の妥当性を評価し,より簡便な容量法においても1% 以下の精確さで定量分析ができることを明らかにした. |
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ISSN: | 0525-1931 |
DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.63.323 |