性差を生み出すメカニズム ~生物学的な視点から

平均寿命に性差があるように、人間の生理学的状態や疾患の進展・発症・治癒の過程のいたるところに性差がみられます。性差は、それを生み出すメカニ ズムの違いから生物学的性差(Sex)と社会的・文化的性差(Gender)の 2 つに 大別されます。生物学的性差は、さらに性染色体による性差と性ホルモンによ る性差に分類されます。とりわけ性染色体の違いがもたらす影響を理解するに は、Y 染色体の機能やX 染色体不活化の仕組みといった生物学的知識が欠 かせません。本発表では、疾患性差の具体例を採り上げ、それそれがどのように形成され るのかを紹介します。また、身近な生物に見られる性差を題材に、性染色体が どの...

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Published in看護薬理学カンファレンス p. ES2-1
Main Author 児玉, 昌美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬理学会 2025
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Summary:平均寿命に性差があるように、人間の生理学的状態や疾患の進展・発症・治癒の過程のいたるところに性差がみられます。性差は、それを生み出すメカニ ズムの違いから生物学的性差(Sex)と社会的・文化的性差(Gender)の 2 つに 大別されます。生物学的性差は、さらに性染色体による性差と性ホルモンによ る性差に分類されます。とりわけ性染色体の違いがもたらす影響を理解するに は、Y 染色体の機能やX 染色体不活化の仕組みといった生物学的知識が欠 かせません。本発表では、疾患性差の具体例を採り上げ、それそれがどのように形成され るのかを紹介します。また、身近な生物に見られる性差を題材に、性染色体が どのように性差の形成に影響するのかについて概説します。近年、性差医療の重要性が認識されつつあり、男女の違いを考慮した医療ア プローチが求められています。本講演が、疾患性差に対する関心を高め、医療 現場における実践的な理解の一助となれば幸いです。
Bibliography:2025.1_ES2-1
ISSN:2435-8460
DOI:10.34597/npc.2025.1.0_ES2-1