認知症高齢者のせん妄予防のためのDigital Transformation(DX)によるシミュレーション介入の開発 Virtual Reality(VR)・Augmented Reality(AR)を用いたプログラム開発と看護師・医師による主観的効果
目的:本研究の目的は,Virtual Reality(VR)「仮想現実」とAugmented Reality(AR)「拡張現実」を用いて,治療・ケアに関わる医師,看護師を対象に,せん妄を発症した認知症高齢者や専門職の視点でのシミュレーション介入プログラムを開発し,その効果を検証することである.方法:2023年2月16日~4月18日に本プログラムに参加した看護師67名(84.8%),医師12名(15.2%)を対象に同プログラムの効果に関する自由記載を分析した.結果:認知症高齢者の視点におけるせん妄体験では,【1.自分がいる場所も状況も,行われようとしている治療・ケアも,わからないことだらけだ】【...
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Published in | 日本老年医学会雑誌 Vol. 61; no. 3; pp. 312 - 321 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年医学会
25.07.2024
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Subjects | |
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ISSN | 0300-9173 |
DOI | 10.3143/geriatrics.61.312 |
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Summary: | 目的:本研究の目的は,Virtual Reality(VR)「仮想現実」とAugmented Reality(AR)「拡張現実」を用いて,治療・ケアに関わる医師,看護師を対象に,せん妄を発症した認知症高齢者や専門職の視点でのシミュレーション介入プログラムを開発し,その効果を検証することである.方法:2023年2月16日~4月18日に本プログラムに参加した看護師67名(84.8%),医師12名(15.2%)を対象に同プログラムの効果に関する自由記載を分析した.結果:認知症高齢者の視点におけるせん妄体験では,【1.自分がいる場所も状況も,行われようとしている治療・ケアも,わからないことだらけだ】【2.入院理由や治療・ケアに関して,分かるように状況を説明してほしい】【3.病院という不気味な環境や高圧的なスタッフの対応により,入院生活は驚愕と恐怖の連続だ】【4.痛みや不安,孤独に耐えている私の存在を尊重してほしい】【5.医師や看護師が私の視点に立って対応してくれると安心できる】【6.家族や日頃から呼ばれている名前など馴染みの存在は安心できる】の6つのカテゴリーが抽出された.結論:VRによる夜間の身体拘束体験やARによるせん妄体験による自己志向型共感の具体的なカテゴリーが抽出され,今後の実践で治療やケアに客観的な効果が得られる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0300-9173 |
DOI: | 10.3143/geriatrics.61.312 |