モリブドリン酸-マラカイトグリーン会合体の膜捕集を利用する血清リン脂質の吸光光度定量
モリブドリン酸-マラカイトグリーン(P-Mo-MG)会合体の生成並びに膜捕集を利用する,高感度な血清リン脂質定量法を確立した.リン脂質にホスホリパーゼCとアルカリ性ホスファターゼを作用させ,リン酸を遊離させる.これにMo-MG試薬(モリブデン酸アンモニウムとマラカイトグリーンの混液)を加え,P-Mo-MG会合体を生成させる.この会合体をメンブランフィルターを用いて濾過捕集し,少量のメチルセロソルブにフィルターと共に溶解させ吸光度を測定する.会合体のモル吸光係数が2.8×105M-1cm-1であるので,定量に要する血清試料の少量化ができた.又,血清に共存する還元性物質やビリルビン及び各種無機イオ...
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Published in | 分析化学 Vol. 38; no. 11; pp. 627 - 631 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本分析化学会
01.11.1989
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ISSN | 0525-1931 |
DOI | 10.2116/bunsekikagaku.38.11_627 |
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Summary: | モリブドリン酸-マラカイトグリーン(P-Mo-MG)会合体の生成並びに膜捕集を利用する,高感度な血清リン脂質定量法を確立した.リン脂質にホスホリパーゼCとアルカリ性ホスファターゼを作用させ,リン酸を遊離させる.これにMo-MG試薬(モリブデン酸アンモニウムとマラカイトグリーンの混液)を加え,P-Mo-MG会合体を生成させる.この会合体をメンブランフィルターを用いて濾過捕集し,少量のメチルセロソルブにフィルターと共に溶解させ吸光度を測定する.会合体のモル吸光係数が2.8×105M-1cm-1であるので,定量に要する血清試料の少量化ができた.又,血清に共存する還元性物質やビリルビン及び各種無機イオンの影響は見られない.本法により簡易かつ高感度な血清リン脂質の定量が可能となった. |
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ISSN: | 0525-1931 |
DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.38.11_627 |