症例 Pacemaker-twiddler'ssyndromeの2症例

ペースメーカー植え込み後にジェネレーターが回転しリードの捻れを生じる現象はPacemaker-twiddler'ssyndromeとしてよく知られているが,その発生は比較的まれである.我々は335例のペースメーカー症例のうち2例で本症候群を認めたので報告する.症例1は72歳,症例2は75歳の女性で各々身長(cm)153,146.5,体重(kg)75.5,64,で房室ブロックのため前胸部皮下にペースメーカーを植え込んだ.症例1では術後早期よりジェネレーターの回転が認められたが一過性に筋攣縮(twiching)が出現する程度でその後無症状であるため放置,4年後の現在も捻れは進行しているが...

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Published in心臓 Vol. 22; no. 11; pp. 1317 - 1320
Main Authors 小倉, 俊介, 桜井, 秀彦, 山口, 洋, 住吉, 正孝, 南塚, 只雄, 加藤, 理, 中田, 八洲郎, 久岡, 英彦, 中里, 祐二, 羽里, 信種
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1990
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.22.11_1317

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Summary:ペースメーカー植え込み後にジェネレーターが回転しリードの捻れを生じる現象はPacemaker-twiddler'ssyndromeとしてよく知られているが,その発生は比較的まれである.我々は335例のペースメーカー症例のうち2例で本症候群を認めたので報告する.症例1は72歳,症例2は75歳の女性で各々身長(cm)153,146.5,体重(kg)75.5,64,で房室ブロックのため前胸部皮下にペースメーカーを植え込んだ.症例1では術後早期よりジェネレーターの回転が認められたが一過性に筋攣縮(twiching)が出現する程度でその後無症状であるため放置,4年後の現在も捻れは進行しているが右側臥位でジェネレーターが回転しそうになった時に患者自ら整復しペーシングも順調で経過観察中である.症例2では術後4カ月に筋攣縮出現リードの複雑な捻れを認め症状も持続するため再手術を行いジェネレーターを大胸筋に固定し,破損していたリードを修復した.2症例はいずれも高齢で高度の肥満があり皮下組織が粗であることが発生要因と考えられた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.22.11_1317