症例 ポックリ病様急死例2例の死亡直前心電図の検討

著者らは,死因となり得る明らかな疾患を有せず,深夜睡眠中に急死し,死亡時の心電図が記録された青壮年の2例を経験した.2例で死亡30分前,180分前よりVPCの出現を認めたが(毎分21および64),徐脈やQT延長は認めなかった.VPC(R on T)にひきつづき両例ともtorsadesde pointesを示し,心室細動に移行した.1例では同様の一過性の心電図所見が失神発作に一致して認められた.生前の心電図所見では両例とも一過性の心房細動を認め,PR時間の延長も認めた.1例では他に洞機能不全も一過性に出現した.2例目はWenckebach型AVブロックと,長いPR間隔時のQRSの変形を認め,Hi...

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Published in心臓 Vol. 16; no. 4; pp. 386 - 391
Main Authors 渡部, 透, 小沢, 武文, 岡部, 正明, 相沢, 義房, 小田, 栄司, 木戸, 成生, 林, 雅美, 柴田, 昭, 村田, 実, 前田, 達郎, 木村, 道夫, 根本, 敬一, 小林, 寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1984
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.16.4_386

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Summary:著者らは,死因となり得る明らかな疾患を有せず,深夜睡眠中に急死し,死亡時の心電図が記録された青壮年の2例を経験した.2例で死亡30分前,180分前よりVPCの出現を認めたが(毎分21および64),徐脈やQT延長は認めなかった.VPC(R on T)にひきつづき両例ともtorsadesde pointesを示し,心室細動に移行した.1例では同様の一過性の心電図所見が失神発作に一致して認められた.生前の心電図所見では両例とも一過性の心房細動を認め,PR時間の延長も認めた.1例では他に洞機能不全も一過性に出現した.2例目はWenckebach型AVブロックと,長いPR間隔時のQRSの変形を認め,His束以下の伝導障害も推定された.剖検された1例では死因となる疾患は認められなかった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.16.4_386