研究 冠動脈バイパス術による運動負荷時心機能の変化

冠動脈バイパス術(CABG)前後の運動負荷時心機能の変化を検討するために35例の患者において術前および術後4週に運動負荷心プールシンチグラフィーを施行した.左室駆出率(EF),最大駆出速度(PER),最大充満速度(FFR),拡張早期1/3の最大充満速度(1/3FR)を算出した.術前の運動負荷によるEFの変化は-3.9±7.3%であったが,術後の運動負荷によるEFの変化は+2.4±6.1%であった(p<0.01).術前は運動負荷時に変化しなかったPERは術後運動負荷時に2.88±0.71sec-1から3.85±0.85sec-1へ増加した(p<0.01).術後運動負荷時のPFRは術前...

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Published in心臓 Vol. 21; no. 6; pp. 688 - 692
Main Authors 分校, 久志, 滝, 淳一, 川筋, 道雄, 手取屋, 岳夫, 岩, 喬, 沢, 重治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1989
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.21.6_688

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Summary:冠動脈バイパス術(CABG)前後の運動負荷時心機能の変化を検討するために35例の患者において術前および術後4週に運動負荷心プールシンチグラフィーを施行した.左室駆出率(EF),最大駆出速度(PER),最大充満速度(FFR),拡張早期1/3の最大充満速度(1/3FR)を算出した.術前の運動負荷によるEFの変化は-3.9±7.3%であったが,術後の運動負荷によるEFの変化は+2.4±6.1%であった(p<0.01).術前は運動負荷時に変化しなかったPERは術後運動負荷時に2.88±0.71sec-1から3.85±0.85sec-1へ増加した(p<0.01).術後運動負荷時のPFRは術前に比し有意に増加したが1/3FRの反応には差はなかった.運動負荷心プールシンチグラフィーはCABG前後の心機能診断に有用であった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.21.6_688