臨床 Phenoxybenzamineによる乳児期心不全治療の新しい試み

交感神経α-受容体遮断剤であるPhenoxybenzamigeは最近心臓手術,ショヅクなどの治療に広く用いられはじめてる.われわれは乳児期心不全の治療に本剤を使用し,有効である事を知った. 特に乳児期心不全宋期に手足の冷感と極度の躯幹発熱を伴い,急激に一般状態の悪化する事がある.これは末梢循環不全に基づいていると思われる.またこの状態では末梢抵抗の増大によりますます心不全には不利となる.末梢血管拡張により,この悪条件を取り除ければ,心不全の軽快をみる. われわれはdigitalis,利尿剤に反応しない8例の乳児不全症例にPOBを使用し5例の有効例をみた.しかし左→右シャントの症例にどの様に使用...

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Published in心臓 Vol. 6; no. 13; pp. 1812 - 1818
Main Authors 田内, 宣生, 長嶋, 正実, 岩井, 直一, 鈴木, 千鶴子, 川村, 正彦, 牧, 貴子, 加藤, 宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 01.12.1974
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.6.13_1812

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Summary:交感神経α-受容体遮断剤であるPhenoxybenzamigeは最近心臓手術,ショヅクなどの治療に広く用いられはじめてる.われわれは乳児期心不全の治療に本剤を使用し,有効である事を知った. 特に乳児期心不全宋期に手足の冷感と極度の躯幹発熱を伴い,急激に一般状態の悪化する事がある.これは末梢循環不全に基づいていると思われる.またこの状態では末梢抵抗の増大によりますます心不全には不利となる.末梢血管拡張により,この悪条件を取り除ければ,心不全の軽快をみる. われわれはdigitalis,利尿剤に反応しない8例の乳児不全症例にPOBを使用し5例の有効例をみた.しかし左→右シャントの症例にどの様に使用するか検討の余地があると思われた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.6.13_1812