症例 123I-MIBGシンチグラフィーで心筋への著明な集積低下を認めた特発性起立性低血圧症の1例

症例は71歳,男性.昭和37年より高血圧にて降圧薬を服用していたが,昭和60年頃からは服薬なく,血圧は良好にコントロールされていた.平成4年12月頃より,血圧が低下傾向を示し,平成5年3月には収縮期血圧70~80mmHg(坐位)まで低下し,その頃より起立時に失神を認めるようになった.近医にて加療されるも改善なく,当科に入院となった.起立試験にて著明な起立性低血圧を認め,理学的には皮膚乾燥を認めた以外,錐体外路・小脳症状などは認めなかった.その他のValsalva試験や薬物負荷などより,自律神経の異常しかも交感神経節後障害が認められ,特発性起立性低血圧と診断した.また123I-MIBGシンチグラ...

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Published in心臓 Vol. 27; no. 2; pp. 174 - 179
Main Authors 高尾, 雅己, 新北, 浩樹, 内藤, 達二, 森光, 卓也, 原田, 敬, 吉武, 孝敏, 太田, 三夫, 深海, 敦, 宮原, 嘉之, 武内, 克介, 原, 耕平, 波多, 史朗, 宮原, 嘉久, 池田, 聡司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1995
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.27.2_174

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Summary:症例は71歳,男性.昭和37年より高血圧にて降圧薬を服用していたが,昭和60年頃からは服薬なく,血圧は良好にコントロールされていた.平成4年12月頃より,血圧が低下傾向を示し,平成5年3月には収縮期血圧70~80mmHg(坐位)まで低下し,その頃より起立時に失神を認めるようになった.近医にて加療されるも改善なく,当科に入院となった.起立試験にて著明な起立性低血圧を認め,理学的には皮膚乾燥を認めた以外,錐体外路・小脳症状などは認めなかった.その他のValsalva試験や薬物負荷などより,自律神経の異常しかも交感神経節後障害が認められ,特発性起立性低血圧と診断した.また123I-MIBGシンチグラフィー(planar像)にて心臓への著明な集積低下を認め,心筋への交感神経の障害を画像的に示唆すると思われた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.27.2_174