ポリファーマシー患者を対象とした減薬の意向および薬効・副作用の主観的理解度に関する調査研究

目的:多剤併用中の患者に対し患者自身の減薬に関する意向や傾向,薬効・副作用の主観的理解度を調査し,ポリファーマシー是正のための情報基盤構築に貢献することを目的とする.方法:入院時に持参した内服薬が5種類以上の成人患者を対象とし,減薬への意向や傾向,薬効・副作用の主観的理解度などついてアンケートを用いて調査した.結果:減薬への意向がある患者は100名中62名で,管理や飲み合わせ・副作用を理由に挙げ,その割合は内服薬数の増加に伴って増加する結果となった.また,減薬への意向がないと回答した38名のうち,21名 (55.3%) が,医師に処方されたことを理由に挙げた.自身の服用薬に関する薬効の理解度は...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本プライマリ・ケア連合学会誌 Vol. 47; no. 2; pp. 34 - 42
Main Authors 有馬, 遥太朗, 渡邊, 卓嗣, 紫桃, 裕造, 住友, 和弘, 岡田, 浩司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会 20.06.2024
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:目的:多剤併用中の患者に対し患者自身の減薬に関する意向や傾向,薬効・副作用の主観的理解度を調査し,ポリファーマシー是正のための情報基盤構築に貢献することを目的とする.方法:入院時に持参した内服薬が5種類以上の成人患者を対象とし,減薬への意向や傾向,薬効・副作用の主観的理解度などついてアンケートを用いて調査した.結果:減薬への意向がある患者は100名中62名で,管理や飲み合わせ・副作用を理由に挙げ,その割合は内服薬数の増加に伴って増加する結果となった.また,減薬への意向がないと回答した38名のうち,21名 (55.3%) が,医師に処方されたことを理由に挙げた.自身の服用薬に関する薬効の理解度は75歳以上で有意に低下したが,副作用に関する理解度は年齢や内服薬数で差はなかった.結論:処方の適正化を推進していくために,患者の意思や処方医との関係性を確認していく必要がある.
ISSN:2185-2928
2187-2791
DOI:10.14442/generalist.47.34