パラジウム系バイメタリック触媒上におけるトルエンの気相酸化的アセトキシル化反応

Pd系バイメタリック触媒を用い, トルエンの気相酸化的アセトキシル化反応を453~493Kにて行った。主生成物として, 側鎖アセトキシル化反応によりベンジルアセテートが燃焼により一酸化炭素と二酸化炭素が得られた。一方, トリルアセテートやアセトキシベンジルアセテートは生成せず, 核アセトキシル化反応は進行しないことがわかった。ベンジルアセテート収率を増加するには, Pdに対する第2成分としてAuが最も有効であった。さらに, Pd-Au/SiO2に第3成分としてKを添加することで, ベンジルアセテート収率が向上し, 一酸化炭素と二酸化炭素の副生を抑制することができた。使用後の触媒のXRD解析から...

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Published in石油学会誌 Vol. 37; no. 4; pp. 428 - 434
Main Authors 上山, 惟一, 松方, 正彦, 上宮, 成之, 小島, 紀徳, 北角, 公一
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 石油学会 1994
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ISSN0582-4664
DOI10.1627/jpi1958.37.428

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Summary:Pd系バイメタリック触媒を用い, トルエンの気相酸化的アセトキシル化反応を453~493Kにて行った。主生成物として, 側鎖アセトキシル化反応によりベンジルアセテートが燃焼により一酸化炭素と二酸化炭素が得られた。一方, トリルアセテートやアセトキシベンジルアセテートは生成せず, 核アセトキシル化反応は進行しないことがわかった。ベンジルアセテート収率を増加するには, Pdに対する第2成分としてAuが最も有効であった。さらに, Pd-Au/SiO2に第3成分としてKを添加することで, ベンジルアセテート収率が向上し, 一酸化炭素と二酸化炭素の副生を抑制することができた。使用後の触媒のXRD解析から, 高度に分散したPdとAuが合金化し, 新しく活性点を形成していると推測した。ベンジルアセテート収率と二酸化炭素収率の反応温度依存性および分圧依存性から, Auの添加は燃焼による一酸化炭素と二酸化炭素の生成の抑制に有効で, Kの添加は酢酸の吸着•活性化を促進し, 高いベンジルアセテート収率を与えることを明らかにした。
ISSN:0582-4664
DOI:10.1627/jpi1958.37.428