小児の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と口呼吸の弊害

当院では2020年7月より県内の小児歯科との医科歯科連携を開始した。主にアレルギー性鼻炎に伴う口呼吸の是正に取り組んでおり,治療介入後に約9割で口呼吸から鼻呼吸への改善を認めている。顎顔面形態の成長は6歳までに成人の60%,11–12歳までに90%が完成するといわれており,正常発育の面で小児期は非常に重要な時期である。アレルギー性鼻炎やアデノイド増殖症などによる鼻呼吸障害が続くと,慢性的な口呼吸となり,顎顔面形態の成長に悪影響を与え,将来的に閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の原因となる可能性が指摘されている。その解決のために口呼吸の弊害に関して共通認識を持つ小児科・耳鼻咽喉科と歯科による医科歯科連...

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Published in小児耳鼻咽喉科 Vol. 44; no. 1; pp. 64 - 68
Main Author 若槻, 雅敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児耳鼻咽喉科学会 2023
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ISSN0919-5858
2186-5957
DOI10.11374/shonijibi.44.64

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Summary:当院では2020年7月より県内の小児歯科との医科歯科連携を開始した。主にアレルギー性鼻炎に伴う口呼吸の是正に取り組んでおり,治療介入後に約9割で口呼吸から鼻呼吸への改善を認めている。顎顔面形態の成長は6歳までに成人の60%,11–12歳までに90%が完成するといわれており,正常発育の面で小児期は非常に重要な時期である。アレルギー性鼻炎やアデノイド増殖症などによる鼻呼吸障害が続くと,慢性的な口呼吸となり,顎顔面形態の成長に悪影響を与え,将来的に閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の原因となる可能性が指摘されている。その解決のために口呼吸の弊害に関して共通認識を持つ小児科・耳鼻咽喉科と歯科による医科歯科連携が必須である。
ISSN:0919-5858
2186-5957
DOI:10.11374/shonijibi.44.64