チタンの歯科鋳造に関する研究
時代が昭和から平成に変わる頃,歯科における器材の研究テーマはチタン鋳造と可視光線重合型コンポジットレジンに重点が置かれるようになった.金属材料は金属イオンの溶出や審美性に欠ける問題があったものの,靭性が高く耐久性に優れていることから,噛むために欠かせない臼歯の補綴修復には第一選択肢となった.歯科用合金は鋳造で製作するしかなかったが,チタンは従来の歯科用合金と比べて融点が高く(約1670℃),しかも酸化することにより基礎的な物性が低下するため,適用が非常に困難であった.そのため,この分野では,鋳型材料や鋳造方法など,鋳造プロセスの見直しに関する研究が数多く行われてきた.本稿ではチタンの歯科鋳造の...
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Published in | 日本歯科理工学会誌 Vol. 44; no. 2; pp. 83 - 88 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本歯科理工学会
25.05.2025
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ISSN | 1884-4421 2188-417X |
DOI | 10.18939/jsdmd.44.2_83 |
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Summary: | 時代が昭和から平成に変わる頃,歯科における器材の研究テーマはチタン鋳造と可視光線重合型コンポジットレジンに重点が置かれるようになった.金属材料は金属イオンの溶出や審美性に欠ける問題があったものの,靭性が高く耐久性に優れていることから,噛むために欠かせない臼歯の補綴修復には第一選択肢となった.歯科用合金は鋳造で製作するしかなかったが,チタンは従来の歯科用合金と比べて融点が高く(約1670℃),しかも酸化することにより基礎的な物性が低下するため,適用が非常に困難であった.そのため,この分野では,鋳型材料や鋳造方法など,鋳造プロセスの見直しに関する研究が数多く行われてきた.本稿ではチタンの歯科鋳造の変遷を振り返ることにする. |
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ISSN: | 1884-4421 2188-417X |
DOI: | 10.18939/jsdmd.44.2_83 |