AI技術による産業系廃プラスチック回収システムの統合化

既存の統計手法と比較して,より精度の高いAI技術が多くの分野で応用されるようになった。これにより,回収需要量の予測の他,収集運搬のルート最適化(巡回の順番やルート,配車等)が可能となる可能性がある。本研究の目的は,AI技術を用いることで,福岡県における産業系廃プラスチックを対象に,回収需要量予測とルート最適化を統合化させ,それによる効率化を目指すことである。本研究では,AI技術を用いて廃プラの1日当たり回収需要量の推計結果を輸送計画問題に適用することによって,従来の回収システムを統合化することを提案した。まず,機械学習による将来予測手法を提示した上で,Pythonを用いて総移動距離(直線距離)...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in環境科学会誌 Vol. 35; no. 5; pp. 237 - 246
Main Authors 松本, 亨, 叢, 日超, 藤山, 淳史
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 環境科学会 30.09.2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-0048
1884-5029
DOI10.11353/sesj.35.237

Cover

More Information
Summary:既存の統計手法と比較して,より精度の高いAI技術が多くの分野で応用されるようになった。これにより,回収需要量の予測の他,収集運搬のルート最適化(巡回の順番やルート,配車等)が可能となる可能性がある。本研究の目的は,AI技術を用いることで,福岡県における産業系廃プラスチックを対象に,回収需要量予測とルート最適化を統合化させ,それによる効率化を目指すことである。本研究では,AI技術を用いて廃プラの1日当たり回収需要量の推計結果を輸送計画問題に適用することによって,従来の回収システムを統合化することを提案した。まず,機械学習による将来予測手法を提示した上で,Pythonを用いて総移動距離(直線距離)の最小化に関する輸送計画問題を解いた。さらに,結果を検証するために,道路網に基づいた最適なルートを検出した。最後に,システムの統合前後による総移動距離やCO2排出量の変化を評価した。総移動距離の最適な回収ルートを検出したことによって,システム統合の有効性を示した。具体的には,総移動距離(回収1回当たりの削減:22 km, 14.2%)及び二酸化炭素排出量(回収1回当たりの削減:4.8 kg-CO2,10.1%)の削減があることを確認した。
ISSN:0915-0048
1884-5029
DOI:10.11353/sesj.35.237