ミニ移植後に Exserohilum による篩骨洞炎を合併した悪性リンパ腫の 1 例
症例:62 歳、男性。経過:2002 年 7 月発症の悪性リンパ腫に対して CHOP 療法 10 コース施行し CR に至ったが、6 ヵ月後再発したため、2003 年 12 月 auto-PBSCT を施行した。2 ヵ月後の 2004 年 1 月に再燃を認めたため、R-CNOP 療法にて病勢をコントロールした後、HLA 一致妹より同種末梢血幹細胞移植(前処置:FLU/BU)を施行した。day 36 より急性 GVHD(皮膚 stage 3 消化管 stage 3:Grade 3)に対して mPSL 投与開始し軽快していたが、mPSL 漸減中の増悪(day 78) に対して mPSL の増量、C...
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Published in | 日本医真菌学会総会プログラム・抄録集 p. 169 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医真菌学会
2005
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Subjects | |
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ISSN | 0916-4804 |
DOI | 10.11534/jsmm.49.0.169.0 |
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Summary: | 症例:62 歳、男性。経過:2002 年 7 月発症の悪性リンパ腫に対して CHOP 療法 10 コース施行し CR に至ったが、6 ヵ月後再発したため、2003 年 12 月 auto-PBSCT を施行した。2 ヵ月後の 2004 年 1 月に再燃を認めたため、R-CNOP 療法にて病勢をコントロールした後、HLA 一致妹より同種末梢血幹細胞移植(前処置:FLU/BU)を施行した。day 36 より急性 GVHD(皮膚 stage 3 消化管 stage 3:Grade 3)に対して mPSL 投与開始し軽快していたが、mPSL 漸減中の増悪(day 78) に対して mPSL の増量、CSP から FK506 への変更を行なった。day 82 頃より頭痛が出現、増強するため MRI 施行したところ、篩骨洞に腫瘤を認め、真菌培養にて黒色糸状菌が分離され、形態学的性状と ITS と LSU D1/D2 領域の塩基配列から Exserohilum rostratum と同定された。Micafungin、Amphotericin B で改善しなかったが、骨破壊・眼球突出などの侵襲性病変は起こしていない。考察:Exserohilum は不完全菌類に属し、土壌植生中に遍在する。アレルギー患者の真菌性副鼻腔炎や再生不良性貧血患者での播種性病変の報告はあるが、本邦からの報告例はなく稀な症例と考えられた。 |
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Bibliography: | P-129 |
ISSN: | 0916-4804 |
DOI: | 10.11534/jsmm.49.0.169.0 |