野球選手に対する肘内側側副靱帯再建術(伊藤法)の治療成績

【目的】われわれは,オーバヘッドアスリートの肘内側側副靱帯損傷の治療として靱帯再建術(伊藤法)を実施している.野球選手に対する本手術法の治療成績を検討した. 【対象/方法】1998年8月から2019年8月に手術を施行した投手41名を対象とした.手術時平均年齢は18歳であった.競技復帰状況,投球時肘内側部痛の有無,JOA-JES scoreなどを検討した. 【結果】術後平均経過観察期間は37.6か月であった.全例が野球復帰を果たし,投球再開までの期間は平均6.0か月,試合(実践)復帰までの期間は平均9.8か月であった.復帰レベルの低下を5例に認めた.JOA-JES scoreは術前平均34.1点...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 29; no. 2; pp. 186 - 189
Main Authors 佐藤, 和毅, 木之田, 章, 山田, 唯一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2022
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.29.2_186

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Summary:【目的】われわれは,オーバヘッドアスリートの肘内側側副靱帯損傷の治療として靱帯再建術(伊藤法)を実施している.野球選手に対する本手術法の治療成績を検討した. 【対象/方法】1998年8月から2019年8月に手術を施行した投手41名を対象とした.手術時平均年齢は18歳であった.競技復帰状況,投球時肘内側部痛の有無,JOA-JES scoreなどを検討した. 【結果】術後平均経過観察期間は37.6か月であった.全例が野球復帰を果たし,投球再開までの期間は平均6.0か月,試合(実践)復帰までの期間は平均9.8か月であった.復帰レベルの低下を5例に認めた.JOA-JES scoreは術前平均34.1点から術後平均94.1点に改善した. 【結語】野球選手に対する伊藤法の成績について報告した.5例で野球復帰レベルの低下を認めたが,全例競技復帰を果たし手術成績は概ね良好であった.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.29.2_186