ストレプトマイシンによる卵形〓斑支持細胞の変化

ストレプトマイシン (SM) による支持細胞の変化について検討するためin vitroでのストレプトマイシン障害モデルを用いて, 形態学的に観察した. SMにより, 支持細胞では, ライソゾームが経日的に増加し, その内部は, ミトコンドリア, myeloid body, 小胞および微小顆粒が存在した. さらに, ライソゾームの蓄積とともに支持細胞内の顆粒および小胞体が消失した. ゴルジ装置のAcPase活性はSMにより抑制されていたが, SM無添加培地に交換後は, ゴルジ装置の発達とそのAcPase活性の増加がみられ, それとともにライソゾームは急速に減少し小胞体の再形成が認められた. これ...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 96; no. 11; pp. 1950 - 1961,2015
Main Author 小田, ゆかり
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 1993
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.96.1950

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Summary:ストレプトマイシン (SM) による支持細胞の変化について検討するためin vitroでのストレプトマイシン障害モデルを用いて, 形態学的に観察した. SMにより, 支持細胞では, ライソゾームが経日的に増加し, その内部は, ミトコンドリア, myeloid body, 小胞および微小顆粒が存在した. さらに, ライソゾームの蓄積とともに支持細胞内の顆粒および小胞体が消失した. ゴルジ装置のAcPase活性はSMにより抑制されていたが, SM無添加培地に交換後は, ゴルジ装置の発達とそのAcPase活性の増加がみられ, それとともにライソゾームは急速に減少し小胞体の再形成が認められた. これらのことから, ゴルジ装置, ライソゾーム, 分泌顆粒, 小胞体が互いに密接な関係をもっていることが示唆された.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.96.1950