6％HES70/0.5（サリンヘスⓇ）と乳酸リンゲル液（ソルラクトⓇ）の容量効果，酸素化，電解質・酸塩基平衡への影響の検討

• Published in: 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 37; no. 2; pp. 141 - 147
• Main Authors: 山口, 聡, 北村, 治郎
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本臨床麻酔学会 2017
• Subjects: サリンヘス; ソルラクト; 容量効果
• ISSN: 0285-4945; 1349-9149
• DOI: 10.2199/jjsca.37.141

6％HES70/0.5（サリンヘス®）と乳酸リンゲル液（ソルラクト®）両輸液製剤の急速負荷における容量効果と酸素化，電解質・酸塩基平衡への影響を調査した．サリンヘス®，ソルラクト®ともに，36名の患者に30分間で1,000mLを負荷し，それぞれ投与量の78.4％，36.8％の容量効果を認めた．サリンヘス®投与後に有意にCl－が上昇し，K＋，HCO3－，BE－が低下した．ソルラクト®投与後に有意に酸素化が低下したが，輸液製剤間の酸素化相対変化の有意差はなかった．急速投与では，サリンヘス®，ソルラクト®とも良好な容量効果を期待できる．溶媒が生理食塩液のサリンヘス®は投与後電解質・酸塩基平衡の変化に，晶質液のソルラクト®は投与後酸素化の低下に，それぞれ注意が必要である．