橈骨遠位端骨折に対する掌側ロッキングプレートを用いた早期手術群と待機手術群の機能予後の比較検討
本研究の目的は,橈骨遠位端骨折の受傷から手術までの期間(早期群vs待機群)が術後成績に影響を及ぼすか否かを明らかにすることである.背側転位型橈骨遠位端関節外骨折患者106症例のうち,受傷当日もしくは翌日に掌側ロッキングプレートを用いて観血的整復固定術を施行した76例を早期群,受傷後7日目以降に手術した30例を待機群とし,術後4週,12週,48週のそれぞれの時点での可動域,握力,Disability of the Arm, Shoulder and Hand (DASH)スコア,合併症について後ろ向きに調査した.両群の患者とも,可動域,握力,DASHスコアとも有意に改善した.術後48週時は,両群...
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Published in | Journal of UOEH Vol. 37; no. 2; pp. 111 - 119 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
学校法人 産業医科大学
2015
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Subjects | |
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ISSN | 0387-821X 2187-2864 |
DOI | 10.7888/juoeh.37.111 |
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Summary: | 本研究の目的は,橈骨遠位端骨折の受傷から手術までの期間(早期群vs待機群)が術後成績に影響を及ぼすか否かを明らかにすることである.背側転位型橈骨遠位端関節外骨折患者106症例のうち,受傷当日もしくは翌日に掌側ロッキングプレートを用いて観血的整復固定術を施行した76例を早期群,受傷後7日目以降に手術した30例を待機群とし,術後4週,12週,48週のそれぞれの時点での可動域,握力,Disability of the Arm, Shoulder and Hand (DASH)スコア,合併症について後ろ向きに調査した.両群の患者とも,可動域,握力,DASHスコアとも有意に改善した.術後48週時は,両群間に有意差を認めなかったが,早期群が待機群と比較して,術後4週は前腕・手関節可動域,握力,DASHスコア,術後12週は手関節可動域,握力,DASHスコアが有意に良好であった.手術した背側転位型橈骨遠位端関節外骨折において,受傷から手術までの待機期間が,術後早期の臨床成績に影響を及ぼす可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0387-821X 2187-2864 |
DOI: | 10.7888/juoeh.37.111 |