組織で活かす早期ダイアローグ,未来語りのダイアローグ

本稿では,フィンランドで発展した「早期ダイアローグ(Early Dialogues)」と「未来語りのダイアローグ(Anticipation Dialogues)」の特徴と,それらの組織支援への応用について論じる.早期ダイアローグは,支援者が抱く小さな心配事を共有することを出発点とし,関係性の悪化を未然に防ぐことを目的とする.一方,未来語りのダイアローグは,関係者が「うまくいっている未来」を共同で想像することで,対話的に関係性の再構築を図る実践である.筆者はこれらを企業の研修や職場支援に応用し,心配を語る文化と安心して対話できる場の形成が,心理的安全性や相互支援の促進に寄与することを実践から確認...

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Published in産業精神保健 Vol. 33; no. 2; pp. 114 - 118
Main Author 春日, 未歩子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本産業精神保健学会 20.06.2025
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ISSN1340-2862
2758-1101
DOI10.57339/jjomh.33.2_114

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Summary:本稿では,フィンランドで発展した「早期ダイアローグ(Early Dialogues)」と「未来語りのダイアローグ(Anticipation Dialogues)」の特徴と,それらの組織支援への応用について論じる.早期ダイアローグは,支援者が抱く小さな心配事を共有することを出発点とし,関係性の悪化を未然に防ぐことを目的とする.一方,未来語りのダイアローグは,関係者が「うまくいっている未来」を共同で想像することで,対話的に関係性の再構築を図る実践である.筆者はこれらを企業の研修や職場支援に応用し,心配を語る文化と安心して対話できる場の形成が,心理的安全性や相互支援の促進に寄与することを実践から確認した.両手法は,関係性に焦点をあてた支援として,今後の組織開発に有効であると考えられる.
ISSN:1340-2862
2758-1101
DOI:10.57339/jjomh.33.2_114