9Cr鋼配管母材に対する微小サンプル厚さに関する検討

著者らは微小サンプルによる余寿命評価法を提案したが,本評価法では配管母材のクリープ寿命特性は肉厚方向に均一であると仮定している。この仮定の妥当性を評価するために,実機で長時間使用された5つの9Cr鋼配管母材を対象に硬さ計測をはじめとする各種の観察・分析やクリープ試験を実施した。得られた範囲内では,外表面から配管内部へ約0.4mmの領域を除けば,寿命特性の有意な変化を示唆する結果はなかった。したがって,上記領域を除いた部分については,著者らが提案した評価法における仮定は妥当であると思われた。実機での使用時間がさらに長い場合に上記領域が成長する可能性やサンプル採取時に放電加工により形成される熱影響...

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Published in火力原子力発電大会論文集 Vol. 73; no. 1; pp. 55 - 61
Main Authors 屋, 口 正 次, 駒, 崎 慎 一, 友, 部 真 人, 熊田, 明裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 火力原子力発電技術協会 2022
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ISSN2187-929X
2187-929X
DOI10.14942/tenpes.73.55

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Summary:著者らは微小サンプルによる余寿命評価法を提案したが,本評価法では配管母材のクリープ寿命特性は肉厚方向に均一であると仮定している。この仮定の妥当性を評価するために,実機で長時間使用された5つの9Cr鋼配管母材を対象に硬さ計測をはじめとする各種の観察・分析やクリープ試験を実施した。得られた範囲内では,外表面から配管内部へ約0.4mmの領域を除けば,寿命特性の有意な変化を示唆する結果はなかった。したがって,上記領域を除いた部分については,著者らが提案した評価法における仮定は妥当であると思われた。実機での使用時間がさらに長い場合に上記領域が成長する可能性やサンプル採取時に放電加工により形成される熱影響層等を考慮して,9Cr鋼配管外表面から採取する微小サンプルの厚さは2mmが適切であると判断した。
ISSN:2187-929X
2187-929X
DOI:10.14942/tenpes.73.55