急性膵炎診療ガイドライン作成に取り掛かった30年の経緯と今回の第5版(JPN Guidelines 2021)での工夫:やさしい解説を取り入れ参考資料をQRコードで示した

1960年代半ばに医師となった主筆(高田)の時代での医療systemは,過去の経験則に基づいていた.1983年日本腹部救急医学会を創立し,1990年から膵炎診療の診療ガイドライン作成の模索を始めた.2003年にevidence -based medicineを基に,致命率が高く難治性疾患とされていた急性膵炎を焦点に第1版を出版した(日本で初めての診療ガイドライン).ひきつづいて,2007年,2010年,2015年と,その時代での工夫を凝らし出版を続け,2014年には難治性疾患からは外れることができた.しかし,2016年の全国調査結果から問題点が残っていることが分かった.対応として,ガイドライン...

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Published in膵臓 Vol. 37; no. 5; pp. 193 - 199
Main Authors 高田, 忠敬, 佐野, 圭二, 伊佐地, 秀司, 吉田, 雅博, 真弓, 俊彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本膵臓学会 31.10.2022
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.37.193

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Summary:1960年代半ばに医師となった主筆(高田)の時代での医療systemは,過去の経験則に基づいていた.1983年日本腹部救急医学会を創立し,1990年から膵炎診療の診療ガイドライン作成の模索を始めた.2003年にevidence -based medicineを基に,致命率が高く難治性疾患とされていた急性膵炎を焦点に第1版を出版した(日本で初めての診療ガイドライン).ひきつづいて,2007年,2010年,2015年と,その時代での工夫を凝らし出版を続け,2014年には難治性疾患からは外れることができた.しかし,2016年の全国調査結果から問題点が残っていることが分かった.対応として,ガイドラインのさらなる普及に力を入れる重要性を強く感じた.2021年版では,「やさしい解説」を取り入れ,参考資料とともにQRコード(QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です)で読み取れるように工夫した.さらに,モバイルアプリでQRコードから無料でダウンロードができる使い勝手がよい形を取り入れた.実臨床の場で,医師が患者ならびに家族に説明する時にこの資料を用いていただけることを望んでいる.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.37.193