妊娠糖尿病診断後の栄養摂取状況および食生活変化の把握

妊娠糖尿病(GDM)患者165例を対象に、GDM診断後の栄養摂取状況および食生活変化の把握を行った。食生活変化の有無で、①GDM診断後に変更ありの者(変化あり群)、②GDM診断以前より変更の者(変化群)の2群に分けて比較検討した。全症例において、必要栄養量と比較し、エネルギー、たんぱく質および炭水化物摂取量が少なかった。変化あり群(53例)は変化群(112例)と比較し、炭水化物摂取量が有意に少なく、食品群別で見ると穀物や芋類の摂取量が有意に少なかった。間食における量や内容に差はなく、変化あり群において尿ケトン体陽性者が有意に多かった。GDM診断は複合糖質の摂取過少と関連することが示唆された。G...

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Published in日本栄養士会雑誌 Vol. 67; no. 8; pp. 401 - 407
Main Authors 山下, 晶穗, 今村, 美咲, 西川, 武志, 四元, 有吏, 加來, 正之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養士会 2024
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ISSN0013-6492
2185-6877
DOI10.11379/jjda.67.401

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Summary:妊娠糖尿病(GDM)患者165例を対象に、GDM診断後の栄養摂取状況および食生活変化の把握を行った。食生活変化の有無で、①GDM診断後に変更ありの者(変化あり群)、②GDM診断以前より変更の者(変化群)の2群に分けて比較検討した。全症例において、必要栄養量と比較し、エネルギー、たんぱく質および炭水化物摂取量が少なかった。変化あり群(53例)は変化群(112例)と比較し、炭水化物摂取量が有意に少なく、食品群別で見ると穀物や芋類の摂取量が有意に少なかった。間食における量や内容に差はなく、変化あり群において尿ケトン体陽性者が有意に多かった。GDM診断は複合糖質の摂取過少と関連することが示唆された。GDMの栄養食事指導時には、①適正な主食量摂取、②野菜類摂取、③牛乳・乳製品摂取、④嗜好食品から複合糖質中心の分割食への移行を意識し指導する必要があり、妊娠初期からの管理栄養士による継続的な栄養ケアが必要と考える。
ISSN:0013-6492
2185-6877
DOI:10.11379/jjda.67.401