医療資源を重点的に活用する外来の検討

東日本の1自治体のレセプト(国民健康保険、後期高齢者医療保険)を用いて国が示した「医療資源を重点的に活用する外来」の実施状況を検討した。診療情報提供料Ⅰが算定されているレセプトとそれ以外のレセプトにおける傷病名の出現率の違いを検討した結果では、悪性腫瘍や慢性腎不全、心内膜症のような重篤な傷病で、診療情報提供料Ⅰが算定されている割合が高いことが確認された。このことは日常診療において、当該医療機関の対応範囲を超える傷病については、適切に紹介が行われていることを示唆するものである。また、診療情報提供料Ⅰが算定された患者の医療サービス利用状況の経時的推移をみても、そうした患者は入院や病理学的検査、画像...

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Published in日本ヘルスサポート学会年報 Vol. 8; pp. 11 - 24
Main Authors 松田, 晋哉, 村松, 圭司, 得津, 慶
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ヘルスサポート学会 2023
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ISSN2188-2924
DOI10.14964/hssanj.8.11

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Summary:東日本の1自治体のレセプト(国民健康保険、後期高齢者医療保険)を用いて国が示した「医療資源を重点的に活用する外来」の実施状況を検討した。診療情報提供料Ⅰが算定されているレセプトとそれ以外のレセプトにおける傷病名の出現率の違いを検討した結果では、悪性腫瘍や慢性腎不全、心内膜症のような重篤な傷病で、診療情報提供料Ⅰが算定されている割合が高いことが確認された。このことは日常診療において、当該医療機関の対応範囲を超える傷病については、適切に紹介が行われていることを示唆するものである。また、診療情報提供料Ⅰが算定された患者の医療サービス利用状況の経時的推移をみても、そうした患者は入院や病理学的検査、画像診断管理加算など医療資源を重点的に利用していると考えられる診療行為を受けている割合が高くなっていた。以上の分析結果より、医療資源を重点的に利用する外来の評価にあたっては中央診療部門に着目した評価体系を構築することが望ましいと考えられた。
ISSN:2188-2924
DOI:10.14964/hssanj.8.11