医師から提供された人工呼吸器に関する情報に対する筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者による評価

目的 本研究の目的は,侵襲的人工呼吸器(以下,呼吸器)について医療従事者からなされた情報提供に対する筋萎縮性側索硬化症(以下,ALS)患者による評価を明らかにすることである。 対象と方法 平成11年度に国内 3 地域において,ALS 患者12例に対し半構成法による面接調査を行った。 結果 医師からの情報提供に満足していると述べた患者は少なく,診断告知や呼吸器の説明の際の担当医師の態度に対する強い不満が原因で転院した事例もあった。半数以上の患者は医師の情報提供のあり方に積極的に不満を述べなかったが,医師による呼吸器の説明内容に不足があると述べた。 結論 説明内容の不足よりも説明する医師の態度が不...

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Published in日本公衆衛生雑誌 Vol. 49; no. 9; pp. 959 - 966
Main Authors 北村, 弥生, 清水, 哲郎, 玉井, 真理子, 土屋, 葉, 田中, 恵美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本公衆衛生学会 2002
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ISSN0546-1766
2187-8986
DOI10.11236/jph.49.9_959

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Summary:目的 本研究の目的は,侵襲的人工呼吸器(以下,呼吸器)について医療従事者からなされた情報提供に対する筋萎縮性側索硬化症(以下,ALS)患者による評価を明らかにすることである。 対象と方法 平成11年度に国内 3 地域において,ALS 患者12例に対し半構成法による面接調査を行った。 結果 医師からの情報提供に満足していると述べた患者は少なく,診断告知や呼吸器の説明の際の担当医師の態度に対する強い不満が原因で転院した事例もあった。半数以上の患者は医師の情報提供のあり方に積極的に不満を述べなかったが,医師による呼吸器の説明内容に不足があると述べた。 結論 説明内容の不足よりも説明する医師の態度が不適切な場合に患者の不満が強いことがわかった。治癒しない疾患の情報提供においては,患者・医療従事者・福祉専門職者の役割を明確にすることが必要だと考える。
ISSN:0546-1766
2187-8986
DOI:10.11236/jph.49.9_959