栄養教育のための食物摂取頻度調査票(FFQW82)の妥当性と再現性の検討

目的 栄養教育に用いるための食物摂取頻度調査票(FFQW82)を開発し,その妥当性および再現性の検討を目的とした。 方法 妥当性と再現性の検討は,男性29人(42~63歳),女性60人(35~53歳)を対象に行った。妥当性は 1 週間の秤量調査結果と再現性は 1 か月後の FFQW82の再調査結果との比較により行った。データはすべて対数変換したうえでピアソン積率相関係数を求めた。 結果 FFQW82から算定されたエネルギーの推定摂取量は,1 日合計では男性,女性ともに秤量調査から得られた実摂取量よりも高めであった(中央値の相対差はそれぞれ 7%, 15%)。妥当性に関しては,相関係数が,男性0...

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Published in日本公衆衛生雑誌 Vol. 57; no. 6; pp. 475 - 485
Main Authors 丹後, 俊郎, 山岡, 和枝, 安達, 美佐, 渡辺, 満利子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本公衆衛生学会 2010
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ISSN0546-1766
2187-8986
DOI10.11236/jph.57.6_475

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Summary:目的 栄養教育に用いるための食物摂取頻度調査票(FFQW82)を開発し,その妥当性および再現性の検討を目的とした。 方法 妥当性と再現性の検討は,男性29人(42~63歳),女性60人(35~53歳)を対象に行った。妥当性は 1 週間の秤量調査結果と再現性は 1 か月後の FFQW82の再調査結果との比較により行った。データはすべて対数変換したうえでピアソン積率相関係数を求めた。 結果 FFQW82から算定されたエネルギーの推定摂取量は,1 日合計では男性,女性ともに秤量調査から得られた実摂取量よりも高めであった(中央値の相対差はそれぞれ 7%, 15%)。妥当性に関しては,相関係数が,男性0.61,女性0.47であり,食事別では朝食,昼食では男女とも0.66~0.89と高かったが,夕食では男女とも0.19, 0.26と低かった。9栄養素での相関は一日合計で男性は0.28(カリウム)~0.65(炭水化物),女性では0.39(脂質)~0.59(カルシウム)の範囲であった。再現性について,エネルギーでは男性0.65,女性0.69であり,9栄養素では男性0.46(食塩相当量)~0.70(炭水化物),女性0.59(脂質)~0.70(食塩相当量)であった。 結論 FFQW82は成人を対象とした栄養教育において,個人の食事摂取量を把握するための調査票として,実摂取量に比べて高めに推定されたが,習慣的な 1 日のエネルギー摂取量に対する三食のエネルギー摂取量のアンバランスの改善や食生活改善に重要な食品群の適量摂取の理解を図るためのツールとして利用可能と考える。
ISSN:0546-1766
2187-8986
DOI:10.11236/jph.57.6_475