原子力プラントの廃止措置に伴い発生する鉛廃棄物の切断に供する低融点合金の供給方法の確立

原子力プラント(原子力・放射線施設)では遮蔽材としての鉛が広く利用されており,廃止措置に伴い放射性物質によって汚染した鉛および鉛含有物が廃棄物として出てくる.廃止措置で発生した廃棄物は,事業者が処分場を確保しなければならない.そこで,事業者はクリアランス制度により低レベル放射性廃棄物をクリアランスレベル以下に処理して廃棄物を減らしている.本研究は,汚染した鉛の廃棄物量を最少にすることを目的として,汚染部分のみを精密に切断する手法を確立することを目標とした.方法は,鉛とBiとSnを反応させることにより,鉛を低融点合金化して切断する.この鉛の低融点合金化においては,Bi-Sn合金を作製し鉛に供給す...

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Published in原子力バックエンド研究 Vol. 32; no. 1; pp. 3 - 9
Main Authors 五嶋 智久, 砂川 武義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会 15.06.2025
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ISSN1884-7579
1884-7579
DOI10.3327/jnuce.32.1_3

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Summary:原子力プラント(原子力・放射線施設)では遮蔽材としての鉛が広く利用されており,廃止措置に伴い放射性物質によって汚染した鉛および鉛含有物が廃棄物として出てくる.廃止措置で発生した廃棄物は,事業者が処分場を確保しなければならない.そこで,事業者はクリアランス制度により低レベル放射性廃棄物をクリアランスレベル以下に処理して廃棄物を減らしている.本研究は,汚染した鉛の廃棄物量を最少にすることを目的として,汚染部分のみを精密に切断する手法を確立することを目標とした.方法は,鉛とBiとSnを反応させることにより,鉛を低融点合金化して切断する.この鉛の低融点合金化においては,Bi-Sn合金を作製し鉛に供給する方法を検討した.検討の結果,鉛切断部にBi-Sn合金を液状にして滴下する方法とペースト状にして注入する方法を実験で確認した.実験の結果,鉛切断部にBi-Sn合金をペースト状にして注入する方法の方が,目標とした部位を精密に切断するには優れていた.
ISSN:1884-7579
1884-7579
DOI:10.3327/jnuce.32.1_3