(夢)自然言語処理技術の最前線と医療応用の可能性

医学の進歩は著しく,日々多くの論文,ガイドライン,書物が発行され,多くはコンピュータでアクセス可能となっている.また,電子カルテシステムが普及し,大量の診療データがデータベースに蓄積されるようになった.このように,今日では,日々大量の医療情報がデジタルデータとして発生している.しかし,これらのデータは,自然言語で記録された非構造化データのものがほとんどである.特に電子カルテのデータは,医療におけるビッグデータと期待されているものの,重要なデータは非構造化データの中に含まれている.これらの電子化された大量の医療情報に対し,処理を加え,診療支援,臨床研究,意思決定支援等で利用するためには,自然言語...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療情報学 Vol. 38; no. 1; pp. 41 - 46
Main Authors 松村, 泰志, 鳥澤, 健太郎, 荒牧, 英治, 篠原, 恵美子, 鈴木, 隆弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療情報学会 25.04.2018
Online AccessGet full text
ISSN0289-8055
2188-8469
DOI10.14948/jami.38.41

Cover

More Information
Summary:医学の進歩は著しく,日々多くの論文,ガイドライン,書物が発行され,多くはコンピュータでアクセス可能となっている.また,電子カルテシステムが普及し,大量の診療データがデータベースに蓄積されるようになった.このように,今日では,日々大量の医療情報がデジタルデータとして発生している.しかし,これらのデータは,自然言語で記録された非構造化データのものがほとんどである.特に電子カルテのデータは,医療におけるビッグデータと期待されているものの,重要なデータは非構造化データの中に含まれている.これらの電子化された大量の医療情報に対し,処理を加え,診療支援,臨床研究,意思決定支援等で利用するためには,自然言語処理が必須となる. 自然言語処理は,古くから期待され研究されてきた領域である.従来からの形態素解析,構文解析,文脈解析,意味解析に至る方法の研究に加え,最近では統計的自然言語処理の技術も加わり,大きく進歩してきており,多くの実用化事例が登場するようになった.一方,医学領域の自然言語処理については,多くの専門用語で構成され,決して容易な領域ではない. 本シンポジウムでは,自然言語処理技術の最前線の技術を,情報通信研究機構ユニバーサルコミュニケーション研究所の鳥澤健太郎先生よりレクチャーしていただく.また,医学領域での自然言語処理について研究成果を挙げてこられた3人の研究者に現状の到達点と,これからの研究の方向性・可能性,そのために解決すべき課題についてお話し頂く.
ISSN:0289-8055
2188-8469
DOI:10.14948/jami.38.41