外来心臓リハビリテーションにおける減塩指導プログラムの検証

心臓リハビリテーション(以下、心リハ)は運動療法に加えて患者教育やカウンセリング等を多職種共同で実践する包括的プログラムであり、栄養指導も患者教育における重要な役割を担っている。当院の心リハ患者の中には栄養指導のゴールの曖昧さや、指導内容のばらつき、指導時間の長さ等が原因で栄養指導を敬遠する患者が一定数存在した。本研究ではそのような患者に継続した栄養指導を実施することを目的に減塩指導プログラムを作成し、プログラムの減塩効果と栄養指導の継続可能性について検証した。減塩の実行状況を塩分チェックシート、ソルセイブ、尿検査を用いて可視化し、患者が定めた減塩の行動目標を5カ月間継続することを指導した。5...

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Published in日本栄養士会雑誌 Vol. 68; no. 2; pp. 87 - 96
Main Authors 土屋, 寛子, 宮崎, 純一, 森田, 彰子, 飯田, 奈々絵, 須賀, 正伸, 吉野, 瞳, 髙橋, 絵理, 宮嶋, ちひろ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養士会 2025
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ISSN0013-6492
2185-6877
DOI10.11379/jjda.68.87

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Summary:心臓リハビリテーション(以下、心リハ)は運動療法に加えて患者教育やカウンセリング等を多職種共同で実践する包括的プログラムであり、栄養指導も患者教育における重要な役割を担っている。当院の心リハ患者の中には栄養指導のゴールの曖昧さや、指導内容のばらつき、指導時間の長さ等が原因で栄養指導を敬遠する患者が一定数存在した。本研究ではそのような患者に継続した栄養指導を実施することを目的に減塩指導プログラムを作成し、プログラムの減塩効果と栄養指導の継続可能性について検証した。減塩の実行状況を塩分チェックシート、ソルセイブ、尿検査を用いて可視化し、患者が定めた減塩の行動目標を5カ月間継続することを指導した。5カ月後に減塩の行動目標を達成できた患者は44人中39人(88.6%)であり、塩分チェックシートとソルセイブの値は有意に低下した。プログラム終了後のアンケートは33人の患者が回答し、そのうち32人がその後の栄養指導継続を希望した。33人全員が「プログラムに参加して良かった」、「どちらかといえば良かった」と回答しており、患者自身がプログラム参加の効果を認識したことで継続指導への意欲も高まったと考えられる。このことから、本プログラム実施により減塩効果が得られ、継続した栄養指導も可能となることが示唆された。
ISSN:0013-6492
2185-6877
DOI:10.11379/jjda.68.87