本邦の実臨床と大規模臨床試験における抗凝固療法で治療中の心房細動患者の相違―心房細動患者の多施設共同登録試験(SAKURA AF Registry)のデータから

本邦では高齢化に伴い心房細動(AF)患者が増加しており,AFの最大の合併症である心原性脳塞栓症予防が臨床的に重要課題となっている.近年,ワルファリンに代わる直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants:DOAC)が本邦で使用可能となり,その使用頻度が増加の一途を辿っている.しかしながら,本邦におけるDOACのデータは十分でないのが現状である.そこで,実臨床のAF患者における抗凝固薬の使用実態や臨床的アウトカムを明らかにするため,日本大学関連病院,実地医家に通院するAF患者の多施設登録研究(SAKURA AF Registry)を行っている.本稿では,SAKURA...

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Published in心電図 Vol. 36; no. 3; pp. 245 - 254
Main Authors 平山, 篤志, 奥村, 恭男, 大野, 安実, 有馬, 健, 野本, 和幹, 池谷, 之利, 横山, 勝章, 大岩, 功治, 知久, 正明, 小島, 利明, 立花, 栄三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 2016
Subjects
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.36.245

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Summary:本邦では高齢化に伴い心房細動(AF)患者が増加しており,AFの最大の合併症である心原性脳塞栓症予防が臨床的に重要課題となっている.近年,ワルファリンに代わる直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants:DOAC)が本邦で使用可能となり,その使用頻度が増加の一途を辿っている.しかしながら,本邦におけるDOACのデータは十分でないのが現状である.そこで,実臨床のAF患者における抗凝固薬の使用実態や臨床的アウトカムを明らかにするため,日本大学関連病院,実地医家に通院するAF患者の多施設登録研究(SAKURA AF Registry)を行っている.本稿では,SAKURA AF Registryの登録患者の特徴,抗凝固薬の使用実態,加えて現時点における脳卒中,大出血イベントの発症率を提示し,大規模臨床試験と実臨床との相違を考察する.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.36.245